【元ブラックエプロン解説】スターバックス リザーブ クリスマスの魅力と歴代フレーバーを振り返る

スターバックスのホリデーシーズン限定コーヒー「スターバックス リザーブ® クリスマス/STARBUCKS RESERVE® CHRISTMAS」。毎年この時期だけ楽しめる特別なブレンドとして、多くのコーヒーファンから愛されていますが、詳しく知っている人は意外と少ないかもしれません。
この記事では、実際にスターバックスでブラックエプロンとして働いていたわたしが、2019年から2024年まで6年連続で飲んだ体験をもとに、特徴などをまとめました。リザーブ クリスマスをより味わい深く楽しむための参考にしていただければと思います。

目次

スターバックス リザーブ® クリスマスとは?

スターバックスでは、毎年11月になるとクリスマスシーズン限定のブレンドコーヒーが多数登場します。日本を含む世界中のスターバックスで販売され、ホリデーシーズンの象徴的なコーヒーのひとつとなっています。
その中でも「スターバックス リザーブ クリスマス」は、スターバックス リザーブ店舗限定で提供される特別なブレンド。希少な豆を使用し、よりこだわった焙煎・ブレンドが施されています。

このブレンドの発端は、「スターバックスと縁の深いコーヒー生産地の豆を使おう」というコンセプトから始まったそう。使用される豆には、スターバックスにとって特別な意味を持つものばかりが選ばれています。

使用される豆の特徴

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  • ハシエンダ アルサシア
    スターバックスが自社で所有するコスタリカのコーヒー農園。品質の高いアラビカ種を生産し、持続可能な農業の研究も行われている。
  • インドネシア・スマトラ島のコーヒー
    1971年の創業時から取り扱っている歴史あるコーヒー。なめらかな口当たりと大地を思わせる独特の風味、力強さが特徴。
  • インドネシア・スラウェシ島のコーヒー
    2020年のみ使用されています。2021年以降はスマトラ(アチェ)が定番化。
  • エイジドスマトラ
    スマトラ島の豆を3〜4年かけて熟成させたもの。熟成による奥深いスパイス感と、まろやかで豊かなコクが加わる。

スターバックス リザーブ クリスマスのコンセプト

「スターバックス リザーブ クリスマス」のコンセプトは、毎年変わらず「大好きな人と一緒に楽しめる」「クリスマスらしいフードにぴったりである」この2つです。そのために、毎年の各産地のコーヒーの出来によってブレンドの配合や焙煎度合いが毎年調整され、このシーズンにふさわしい味わいへと仕上げられています。

毎年ファンを魅了し、コーヒー好きにとっては特別な一杯として楽しまれていますが、もちろん、わたし本人もこのブレンドが大好き! 毎年少しずつ違う表情を見せる味わいにワクワクしながら、クリスマスシーズンの訪れを感じるのがすっかり恒例になりました。

2019年〜2024年の「リザーブ クリスマス」比較レビュー

2019年

基本情報:

  • 生産国:コスタリカ、インドネシア
  • 生産地/生産者:ハシエンダアルサシア農園、スマトラ島
  • 加工法:水洗式、半水洗式
  • 酸味:MEDIUM(ほどよい)
  • コク:MEDIUM(ほどよい)
  • 相性の良い風味:
    メープル、チーズ、クローブ、大好きな人と一緒に
  • 2019年11月発売

コーヒーの特徴:
ジンジャーやスイートオレンジのような国味に、シダーを思わせる心地よいスパイス感のあるコーヒー。

詳細情報・感想

詳細情報:
スターバックスのマスターブレンダーが腕を振るって来晴らしいコーヒーを2種類ブレンドし、クリスマスの時期の優しく穏やかな雰囲気にも通じる、豊かで温もりも感じられる風味の、この季節を祝福するようなコーヒーに仕上げました。インドネシアとコスタリカという2つのテロワールの特徴は、コーヒーの味わいにも表れています。コスタリカのスターバックスの自社農園であるハシエンダ アルサシアで栽培されたコーヒーは、鮮やかな柑橘系の風味が特徴です。一方、厳選した生豆を使用したエイジドスマトラはシダーを思わせる心地よいスパイス感のある風味が特徴です。この芸術的で素晴らしい2種類のコーヒーが合わさることで醸し出される絶妙な味わいは、まるでクリスマスの楽しい集いのためのシンフォニーを奏でているようです。

感想:
エイジドスマトラ特有のクセは強く出しすぎずに豊かな個性として表現されていて、後味には爽やかなハーバル感、フルーツ感。やや深めの焙煎が生み出すなめらかさと程よい重厚感のあるコクが、冬のホリデーシーズンにとても合います。
2019年からは中目黒のロースタリー焙煎になったということで、より日本人の感性に馴染むものになったのかもしれません。

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2020年

基本情報:

  • 生産国:インドネシア、コスタリカ
  • 生産地/生産者:ハシエンダアルサシア農園、スマトラ島、スラウェシ島
  • 酸味:MEDIUM(ほどよい)
  • コク:MEDIUM(ほどよい)
  • 相性の良い風味:
    メープル、チーズ、クローブ、大好きな人と一緒に
  • 2020年11月発売

コーヒーの特徴:
シダーのような豊かな香りと、オレンジマーマレードやスパイス、ほのかにバタースコッチを思わせる風味をもつコーヒー。

詳細情報・感想

詳細情報:
スターバックス リザーブ® クリスマスは一口飲むたびに、クリスマスという魔法のように特別で、同時に懐かしく心の安らぐ美しい季節を感じさせてくれるコーヒーです。今年はコスタリカ、スマトラ、スラウェシという3つの類いまれなテロワールがもたらしたコーヒーがブレンドされています。私たちの自社農園でもあるコスタリカのハシエンダ アルサシア® のシトラスのような風味、熟成を経たエイジドスマトラの大地を思わせる豊かなスパイスの香り、そして今年初めてブレンドに仲間入りしたスラウェシの力強いコクと、バタースコッチを思わせる繊細な甘さ。これらが私たちのマスターブレンダーによって組み合わされ、クリスマスのあたたかな思い出や、喜びに溢れるこの季節をともにお祝いするのにふさわしい味わいのコーヒーとなりました。

感想:
2020年もドライフルーツに合いそうな柑橘感豊かな仕上がり。「バタースコッチ」というキーワードが表現するなめらかで深いコクも特徴。日本でもジンジャーブレッドクッキー、シュトーレンなどがこの時期のお菓子として定着してきましたが、まさにそういうスイーツにピッタリの味わい。

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2021年

基本情報:

  • 生産国:インドネシア、コスタリカ
  • 生産地/生産者:スマトラ島、ハシエンダアルサシア農園
  • 加工法:半水洗式、水洗式
  • 酸味:MEDIUM(ほどよい)
  • コク:MEDIUM(ほどよい)
  • 相性の良い風味:
    メープル、チーズ、クローブ、大好きな人と一緒に
  • 2021年11月発売

コーヒーの特徴:
キャンディードジンジャーやオレンジマーマレード、心地よいシダーのような味わいにバタースコッチを思わせる味が特徴のコーヒー。

詳細情報・感想

詳細情報:
このコーヒーを飲むとクリスマスという魔法のような季節が思い起こされます。私たちのマスターブレンダーはこの季節のように特別で印象深いスターバックスの自社農園ハシエンダ アルサシア® で丁寧に収穫されたコーヒーと、熟成を経たエイジドスマトラ、力強い味わいのインドネシア アチェのコーヒーが互いに最も引き立てあう割合でブレンドしました。それに適した焙煎をすることで、明るいシトラスとクリスマスを思い起こさせるスパイスのような味わいがバランスよく感じられる、マーマレードやはちみつを思わせる甘みをもったコーヒーになりました。
クリスマスのあたたかな思い出や、喜びに溢れるこの季節をともにお祝いするのにふさわしい味わいのコーヒーです。

感想:
この年からスマトラ島のアチェ産コーヒーのブレンドが定番化されていきました。スマトラ式(半水洗式)の比率が増えたためか、驚くほどなめらかな口当たりが楽しめます。「キャンディード(飴がけ)」や「マーマレード」が表現するように甘みの余韻が強く残り、コーヒープレスで淹れると特に最高でした。

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2022年

基本情報:

  • 生産国:インドネシア、コスタリカ
  • 生産地/生産者:スマトラ島、ハシエンダアルサシア農園
  • 加工法:半水洗式、水洗式
  • 酸味:MEDIUM(ほどよい)
  • コク:MEDIUM(ほどよい)
  • 相性の良い風味:
    メープル、チーズ、クローブ、大好きな人と一緒に
  • 2022年11月発売

コーヒーの特徴:
ウッディな香りにマリングスパイスやほのかなタンジェリンやハーブを思わせる風味、後味まで感じられる甘みがの温みのある味わい。

詳細情報・感想

詳細情報:
このコーヒーを飲むとクリスマスという魔法のような季節が思い起こされます。私たちのマスターブレンターはこの季節のように特別で印象深いスターバックスの自社農園コスタリカ ハシエンダ アルサシア農園で丁寧に収穫されたコーヒーと、熟成を経たエイジド スマトラ、力強い味わいのインドネシア アチェのコーヒーが互いに最も引き立てあうバランスでブレンドしました。それに適した焙煎をすることで、明るいシトラスとクリスマスを思い起こさせるスパイスのような味わいがバランスよく感じられる、はちみつのような余韻の長い甘みをもったコーヒーになりました。クリスマスのあたたかな思い出や、喜びに溢れるこの季節をともにお祝いするのにふさわしい味わいのコーヒーです。

感想:
「温かみ」という表現がまさにぴったりな、やや重めのコクと後味に残る甘みと複雑なスパイス感が楽しめました。マリング・スパイスとは、オレンジピール、シナモン、オールスパイス、クローブなどがブレンドされたミックススパイスのことなんだそうです。

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2023年

基本情報:

  • 生産国:インドネシア、コスタリカ
  • 加工法:半水洗式、水洗式
  • 酸味:MEDIUM(ほどよい)
  • コク:FULL(しっかり)
  • 相性の良い風味:
    シナモン、オレンジ、ハニー、大好きな人と一緒に
  • 2023年11月発売

コーヒーの特徴:
シダーやレザーのような安らぎを感じさせる香りが、オレンジピールやメープル、キャンディードジンジャーを思わせる風味を引き立て、スパイシーながらしっかりとした口あたりの温もりある味わいのコーヒー。

詳細情報・感想

詳細情報:
このコーヒーを飲むとクリスマスという魔法のような季節が思い起こされます。私たちのマスターブレンターはこの季節のように特別で印象深いスターバックスの自社農園コスタリカ ハシエンダ アルサシア農園で丁寧に収穫されたコーヒーと、熟成を経たエイジド スマトラ、力強い味わいのインドネシア スマトラ島のアチェのコーヒーを、互いに最も引き立てあうバランスでブレンドしました。それに適した焙煎をすることで、明るいシトラスとクリスマスを思い起こさせるスパイスのような味わいをもったコーヒーになりました。クリスマスのあたたかな思い出や、喜びに溢れるこの季節をともにお祝いするのにふさわしい味わいのコーヒーになりました。

感想:
この年から、コクが「FULL」に、相性の良い風味が「シナモン、オレンジ、ハニー」に変更。2022年もなめらかなコクを感じていましたが、よりその輪郭がくっきり。スパイスや柑橘系のフレーバーはそのままに、より「温かみ」「安らぎ」を強く感じられる味わいでした。

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2024年

基本情報:

  • 生産国:インドネシア、コスタリカ
  • 加工法:半水洗式、水洗式
  • 酸味:MEDIUM(ほどよい)
  • コク:FULL(しっかり)
  • 相性の良い風味:
    シナモン、オレンジ、ハニー、大好きな人と一緒に
  • 2024年11月発売

コーヒーの特徴:
安らぎを感じさせるシダーやレザーのような香りが、メープルやキャンディードジンジャー、オレンジピールを思わせる味を引き立て、ほのかなスパイシーさをともなう、なめらかな口あたりの温もりある味わいのコーヒー。

詳細情報・感想

詳細情報:
このコーヒーを飲むとクリスマスという魔法のような季節が思い起こされます。私たちのマスターブレンターはこの季節のように特別で印象深いスターバックスの自社農園コスタリカ ハシエンダ アルサシア農園で丁寧に収穫されたコーヒーと、熟成を経たエイジド スマトラ、力強い味わいのインドネシア スマトラ島のアチェのコーヒーを、互いに最も引き立てあうバランスでブレンドしました。
それに適した焙煎をすることで、メープルのような甘みやクリスマスを思い起こさせるほのかなスパイスのような味、なめらかな口あたりの温もりある味わいをもったコーヒーになりました。クリスマスのあたたかな思い出や、喜びに溢れるこの季節をともにお祝いするのにふさわしい味わいのコーヒーです。

感想:
2023年に引き続き、「安らぎ」「温かみ」がテーマ。エイジド スマトラのスパイシーなクセはやや抑えめで穏やかな表情が特徴。立ち昇る香りが抜群で、甘みと柑橘のバランスが絶妙。そして、なめらかながらも重すぎません。過去イチお気に入りで、この年はリピート購入しました。

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飲み続けたからこそわかる「リザーブ クリスマス」の魅力

コスタリカの自社農園「ハシエンダ アルサシア」のシトラスのような明るい酸味、数年間熟成させた「エイジドスマトラ」のスパイシーでシダーを思わせる深み、そしてインドネシア産コーヒーの豊かなコクが絶妙にブレンド。
毎年、これらの要素のバランスは微妙に調整され、その年ならではの味わいが楽しめるのが特徴です。

例えば、ある年はスマトラ式(半水洗式)の比率を高め、滑らかな口当たりを強調。別の年はシトラス感に甘みを際立たせたり、爽やかな後味を演出したりと、スターバックスのブレンダーたちが試行錯誤を重ねています。毎年少しずつ変化する新たな味わいが提供され、リピーターを飽きさせない魅力が詰まっています。

また、スターバックス リザーブ® クリスマスは、季節限定のフードやPrinci®のホリデーメニューとの相性も抜群。特に、チョコレートやドライフルーツを使ったスイーツ、スパイスの効いたペストリーなどと合わせると、コーヒーとフードがお互いの味を引き立て合い、至福のペアリングが楽しめます。このフードペアリングも、毎年の楽しみのひとつなんですよね。

おすすめの抽出方法

スターバックス リザーブ クリスマスを最大限に楽しむためには、抽出方法にもこだわりたいところ。
特におすすめの抽出方法は「コーヒープレス」です。コーヒープレスは、粗挽きのコーヒー豆にお湯を注ぎ、4分間待ってプレスするだけで、簡単に豊かな風味を引き出せます。
この方法では、コーヒーオイルが抽出されるため、よりスパイスの香りが際立ち、なめらかな口当たりが楽しめます。お湯の温度帯によってもコーヒーの風味は少し変わります。高めにするとフルーティーな風味やほどよい酸味などを強めに感じていただけると思います。より温かみを感じる味わいを求めるときは、温度を90℃くらいにしていただくと、酸味が抑えられておだやかになります。

また、気分や好みに応じて、プアオーバー(ハンドドリップ)での抽出もおすすめ。ペーパーフィルターを使用するため、クリアでスッキリとした口当たりになり、柑橘系の爽やかさやスパイシーな後味がより一層際立ちます。抽出方法による違いも楽しみながら、自分だけの特別な一杯を見つけてみてください。

まとめ

スターバックス リザーブ クリスマスは、毎年その年ならではの味わいと楽しみ方を提供してくれる特別なコーヒーです。ぜひ、大切な人と一緒に、この季節だけの味わいを堪能してみてください。

オンラインでも購入できますが、ホリデーシーズンはスターバックスがクリスマスカラーに染まり、店内の雰囲気も抜群なので、ぜひ直接スターバックスの店舗で楽しんで欲しいです。特に、中目黒のロースタリー 東京は、1階から4階まで、どこを見ても心ときめくディスプレイが施されておりおすすめです。

個人的には、ぜひPrinci®のフードとのペアリングも楽しんでいただきたいです。ロースタリー 東京では、Princi®の「パネトーネ クラッシコ」や「パネトーネ チョコラート マローネ」など、ホリデーシーズン限定のリザーブクリスマスに抜群に合うスイーツたちが登場します。

また、自宅用にも購入したら、寒い夜に温かい部屋でコーヒーを淹れ、「大好きな人と一緒に」楽しむひとときを過ごしてみてください。

STARBUCKS RESERVE®︎関連リンク

スターバックス リザーブ®︎のコーヒー豆には「焙煎度」の表示がありません。リザーブのコーヒーは、豆が持つ本来の個性や実力を最大限に引き出すことを目的として焙煎されており、焙煎度合いよりもコーヒーの産地や加工法(精選方法)、独自の風味に注目して選んで欲しい、というスターバックスの考えが表れていると感じます。

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