カフェインレスコーヒー/デカフェ(Decaf)とは?気になるポイントを解説!

decaf

健康意識が高まる昨今、日本でもカフェインレスコーヒーの需要が年々増加しています。この記事では、スターバックスでの勤務経験をもとに、カフェインレスについての基礎知識や気になるポイントをまとめました。

「ディカフェ?デカフェ?どっちが正しいの?」といった小ネタも交えながら、カフェイン除去法についても解説します!

目次

カフェインレスコーヒー(DECAF)とは?

カフェインレス(Decaf)とは、コーヒーなどに含まれるカフェインを特殊な製法で除去したものです。「ディカフェ」「デカフェ」とも呼ばれますが、これはコーヒーだけに限らず、カフェインを含む紅茶やお茶にも同様の商品があります。

なお、日本では、全日本コーヒー公正取引協議会が「カフェインを90%以上除去したコーヒー」をカフェインレスコーヒーと定義していますが、欧米ではより厳しい除去基準が採用されています。

ディカフェとデカフェは呼び方の違い

ディカフェ搭載コーヒーメーカー

カフェインレスを指す「Decaf」は、“decaffeinated”の略で、英語では「díːkæ̀f(ディーキャフ)」と発音します。

Wikipediaによると、「ディカフェ」「デカフェ」は、フランス語の発音「de.ka.fe.i.na.sjɔ̃/」に由来し、和製英語のような感覚で使用されており、どちらも間違いではありません。日本語の「よい」と「いい」に近いでしょうか?

つまり、スターバックスでは日本市場向けには「ディカフェ」として商品名が決定された。タリーズでは「デカフェ」として決定された。ただそれだけの理由となるんでしょうね。

カフェインレスの製法は大きく分けて3種類

coffee_instructor005

カフェインレスコーヒーの製法は、主に以下の3つに分類されます。
日本では「ウォーター製法」と「二酸化炭素抽出法」が流通しています。

1.有機溶媒抽出法(ダイレクト コンタクト法)

1906年にドイツで開発された世界初の脱カフェイン法です。
別名「ケミカル・メソッド」とも呼ばれ、塩化メチレン(ジクロロメタン)などの有機溶媒を使用してカフェインを除去します。

有機溶媒の沸点は低く、洗い流して乾燥させる工程や焙煎で加熱処理され、コーヒー豆に有機溶媒は残存しません。世界的に見ると一般的な方法ですが、日本では化学薬品を使ったコーヒー豆の輸入が禁止されているため流通していません

・安価で効率的

・風味が損なわれやすい
・化学薬品による環境負荷が高い

2.ウォーター製法(ウォータープロセス)

decaf-swisswater

水だけを使ってカフェインを除去する環境に優しい方法です。1941年に開発された脱カフェイン法です。
代表的なものに「スイスウォータープロセス」と「マウンテンウォータープロセス」があります。

環境面やコスト面では優秀であるものの、水に浸したり、加圧加温することによって、コーヒー本来の香りや風味を維持するのが難しいのが課題です。

スイスウォータープロセス

Swiss Water Decaffeinated Coffee Inc.
※上記画像もこちらの公式サイトより引用させていただきました

スイスウォータープロセスは、コーヒー豆を水の中で循環させてカーボンフィルターでカフェインを除去します。水だけでカフェインを除去することができる安全性の高い方法です。カナダ「スイスウォーター社」の商標です。

・99.9%まで除去できる
・環境に優しく安全性が高い(オーガニック認証)

・8時間〜10時間かかる
・長時間浸水させるため風味に影響が出やすい

マウンテンウォータープロセス

同じくコーヒー豆を水の中で循環させますが、加圧・加温されたタンクの中で撹拌する手順を踏むことで、スイスウォータープロセスよりも短時間でカフェインを除去できます。メキシコ「DESCAMEX」社の工場で行われています。

・環境に優しく安全性が高い(オーガニック認証)
・短時間で除去できる

・加圧加温により風味に変化が起こる

3.二酸化炭素抽出法

decaf-co2

1974年にコーヒーのカフェイン除去に実用化された新しい方法で、二酸化炭素を利用してカフェインを取り除きます。

物質は温度や圧力によって気体、液体、固体に変化しますが、二酸化炭素は常温・常圧では「気体」として存在し、冷却すると「固体」のドライアイスになります。さらに、圧力と温度が二酸化炭素の臨界点を超えると液体と気体の境界がなくなった「超臨界流体」というものに変化。この状態でカフェイン除去するのが「超臨界二酸化炭素抽出法」です。

その超臨界状態になる手前には「液体」として二酸化炭素が存在する圧力・温度条件があり、その液体の状態で除去するのが「液体二酸化炭素抽出法」なんだそうです。(わたしは理系に疎いため、認識が間違っていたらすみません)

コーヒー豆の風味や香りに最小限の影響しか与えないのが最大の特徴です。

超臨界二酸化炭素抽出法

超臨界技術センター株式会社-デカフェ技術
※上記画像もこちらの公式サイトより引用させていただきました

超臨界流体の二酸化炭素は、短時間でカフェインを狙って除去することができます。

・風味が保たれやすい
・短時間(半日程度)で除去できる
・環境にも優しい

・設備コストが高額

液体二酸化炭素抽出法

超臨界よりも液体状態の二酸化炭素の方が低温・低圧なので、よりコーヒー豆に優しいですが処理時間がかかります。

・最もコーヒー豆に優しい
・環境にも優しい

・2〜3日かかる
・設備コストが高額

スターバックスのカフェイン除去は?

starbucks-decafmug

2024年時点で、日本のスターバックスではすべて液体二酸化炭素抽出を採用しています
設備コストがかかるものの優良な脱カフェイン法、ということで、さすが世界最大チェーンの一つに挙げられる企業!

取り扱い商品:
・ディカフェ ハウス ブレンド
・ディカフェ エスプレッソ ロースト
・ディカフェ コスタリカ ハシエンダ アルサシア®

スターバックス リザーブ ロースタリー 東京で焙煎されているディカフェも含め、すべて同じカフェイン除去方法です。

Starbucks_roast01

終わりに

「カフェインレスコーヒーは美味しくない」と、言われた時代もありましたが、技術の進歩により、今では美味しいカフェインレスコーヒーが増えています。むしろ、まずいカフェインレスに出会うことの方が少なくなったように思います。
夜でもリラックスしたい時や妊娠中など、カフェイン摂取を控えたい時でも美味しいコーヒーが楽しめる選択肢があるのは嬉しいことですよね!

コーヒーの香りや風味にこだわる方は、この記事を参考に自分に合ったカフェインレスコーヒーを探してみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次