「胎盤ポリープの疑いのある腫瘤が子宮内に存在する」という診断を受け、いつ大量出血による子宮全摘出という最悪の事態に陥るかわからない……という状態の中で、抗がん剤治療「メソトレキセート(MTX)点滴」を行うことを決めました。
これまでの詳細はこちら▼
- 抗がん剤治療開始時の体調
- 抗がん剤の点滴を受けた時のこと
- 点滴してからの体調変化
- 抗がん剤治療は1回のみ。でもそのまま年越しに…
- 年末に出血が始まり「何か」が出た感覚が?!
- 年明けの検査で完治「ポリープがない!」
※こちらは、2019年1月に書いた内容をブログ移設に伴い2019年10月に加筆修正したものです。
抗がん剤治療開始時の体調
診断を受けて治療方針を決定した翌々日、抗がん剤治療が開始しました。自分を取り巻く状況がめまぐるしく変化して睡眠不足でしたが、体調はいたって普通だったので「本当に自分の子宮に病気があるのかな……」と思ってしまうくらいでした。
そんな中、生理のような出血が始まります。その後の出血量の増え方もまさに生理っぽかったので「ひょっとして腫瘤が消えてなくなって、生理がきたんじゃ?!」などという淡い期待を抱きましたが、投薬前の内診では当然のように腫瘤はしっかり生き残っていました。「この状態で生理が来ることはないです。腫瘤からの出血が増えています。」と医師から言い渡され、抗がん剤治療に加え「子宮収縮剤」と「止血剤」も処方されることになりました。
抗がん剤の点滴を受けた時のこと
そして、その内診が終わった後はすぐ抗がん剤治療の開始です。わたしはこの日、初めて病院の点滴室という所に行きました。点滴を受けるリクライニングシートには大きめのテレビが付いていて、さらに、それぞれのシートはカーテンで仕切られ個室のようになっていて軽く驚きました(なんとなく点滴ってベットに横たわって目をつぶって受けるものだと思ってました…)
所要時間は30分程度とのこと。わたしの場合は以下が処方されました。
・大塚生食注(点滴前/50ml)
・注射用メソトレキセート(79mg)
※身長、体重から体表面積を算出して投与量が決定される。1㎡あたりの投与量は50ml
・大塚生食注(点滴後/100ml)
がん治療では10,000mgとか大量に投与するらしいので、それより遥かに少量です。なお、「大塚生食注」は、人の体液と等張の食塩液で、抗がん剤点滴前の導入や抗がん剤点滴後の排出促進のために行うそうです。
ちなみに、メソトレキセートは抗がん剤なので、看護師の取り扱いはNG。医師が点滴針を刺す必要があるそうで、針を刺す時、そのためだけに先生が来てくれました。その慎重な対応に、「そんなに大変な投薬なのか…」と不安になったりもしましたが、いざ点滴を受けてみると針を刺す時の痛みもほとんど無く、点滴中の身体的な違和感もほとんど感じなかったため、目を閉じていたらいつの間にか眠ってしまいあっという間に点滴は終了しました。なんとなく抗がん剤が体内に入ってくると気持ち悪くなったり、具合が悪くなったりするものだと思っていたので、すんなり終わって本当に良かったです。
点滴してからの体調変化
点滴をした当日は、驚くほどに何の症状もありませんでした。あまりに普通で拍子抜けしたくらいで、帰宅して早々に眠りについてそのまま10時間くらい寝ました。 翌日も引き続き体調に大きな変化はありませんでしたが10時間も寝たのにまだ眠くて。寝すぎているからお腹も減らず、お薬を飲むために少し豆乳を飲む程度で、それ以外は何もせず一日中寝ていました。
そして、なんか変だなと感じたのは3〜4日目。たくさん寝てもまだ眠いんです。引き続き食欲もありません。「あれ?ひょっとして抗がん剤の副作用?」と思いましたが吐き気もなく、食べようと思えば食べられる状態。でも、食欲がない中で食事をとったら今度はお腹が痛くなり下痢を起こしました。
心配していた出血は、薬を処方された7日分を飲みきる頃にはほぼ止まります。たまにおりものに血が混じる程度に改善されていましたが、食欲不振で食べると下痢という状態をしばらく繰り返していたため、常に体がダルく出かける気力などもあまりなくて体重もガクッと減りました。 この時は、「抗がん剤治療を続ける限り、このダルい状態が続くのかな…」と出口が見えない気分になっていたのですが、人生ツライことばかりではありません。意外にも完治の時は早くやって来ることになります。
抗がん剤治療は1回のみ。でもそのまま年越しに…
抗がん剤点滴の10日後、血液検査をしました。
◆血中hCG 17.1mIU/mL(前回の測定値:73.5mIU/mL)
驚くべきことに、一気にhCGの値が50以上の大幅低下という結果に!腫瘤のサイズには変化がありませんでしたが、いずれ0に近い状態まで数値がると腫瘤の完治が見えてくるとのことで、先生からも「投薬の効果が出ているようで順調」との嬉しいお言葉をいただきました。さらに嬉しかったのが、しばらく続けるはずだった抗がん剤の点滴も数値の低下が順調だったので「一旦様子見として、投与中止」となったことです。この段階ではまだ大量出血のリスクがつきまとっているのは変わりませんが、副作用で気分が落ち込み気味だったのですごーく嬉しかったです。
…しかし、その後はあまり変化が見られないまま2週間経過します。
◆血中hCG
1週間後:15.2mIU/mL
2週間後:14.4mIU/mL
数値は微減…。腫瘤のサイズにも変化はありませんでした。次の検査は年明けの約2週間後と決まり、この状態のままで年越しすることが確定します。なのでこの年は、例年とは違ってのんびり出来ない年越しになりました。
救急に対応している大学病院なので、何か異変が起こったら年末年始も関係なく対応してくれますが、大量出血がいつ起こるかわからない状態なので、旅行や遠出はおろか人でごった返す年末年始の外出なんて怖くて出来ません。実家・義実家への帰省すら「帰省している間に出血したら迷惑をかけるし、まして新年のご挨拶のおめでたい席で救急搬送になったら最悪……」と気が引けてしまったので、ただひたすら家にこもってました。せめて食道楽くらいはしたかったのに、抗がん剤治療の影響で胃が縮んだのか食欲もあまり無く、フラストレーションたまりまくりという状態でした。
年末に出血が始まり「何か」が出た感覚が?!
そして、そんな年末に出血が始まります。あと数日で年越しというタイミングでした。大量出血というほどではないものの腹痛を伴う出血で、正直「勘弁してよ……」って感じでした。病院からの指示は「生理2日目以上の大量出血が発生した場合はすぐに連絡してください。少量の出血であれば大丈夫です」とのことだったので、まずは様子見することにしましたが、その後も徐々に出血量は増えていき不安は募る一方……
しかし、それは出血が始まって4日目の大晦日のことでした。大きい方の用を足していると子宮から「何か」が出たような感覚が!トイレをよく観察すると、便に混じった出血はいつもより多めでドロッとしていたのですが(汚くてすみません…)その中に1cmくらいの塊のようなものが見えました。「何か出た」の違和感は、この塊?
何か体調変化のサインかも、と思いましたが、この日は大晦日。だんなさんと年越しならではのTV番組たちをザッピングしつつ笑い合いながら、年越し蕎麦を用意したり穏やかな時間が過ぎて、この日は深く考え込むことはありませんでした。
年明けの検査で完治「ポリープがない!」
そんなこんなで、年明けの検査の日が来ました。大晦日に「何か出た」感覚があってから出血量も腹痛も減り、検査の日にはすっかり出血は止まっていました。
血液検査のために採血をしてからの内診で、先生から「何か変化ありませんでしたか?」と質問があったので、一連の出血と「何か出た」件について話したところ「ポリープ、無くなってますよ!」とのお言葉が!
血液検査の結果も……
◆血中hCG >2.0mIU/mL
こちらの大学病院では、hCG>2(2以下)が正常値。そう、すっかり正常値になっていたんです!先生の見解は「年末の出血は生理だった可能性が高く、塊がでた感覚があった時にポリープがとれて経血と一緒に体外に排出されたんでしょう」とのことで、完治の太鼓判を先生からいただけました。この瞬間は飛び上がらんばかりに嬉しかったです!
欲を言えば2018年の最後の診察までに完治してくれれば気持ち良く年越しできたのになぁ、とは思うのですが 。でも、おそらく2018年の大晦日にポリープが排出されて健康な状態で2019年をスタートできていたと思うと、ちょっと清々しく、今年は素晴らしい1年になってくれるんじゃないかなー、とワクワクしました。
余談ですが、2018年は後厄でした。本厄の2017年にAMHが低く妊娠しにくいことが判明し、悩んだ末に仕事を辞めて主婦になり、2018年は不妊治療(体外受精)に専念。しかし稽留流産での流産手術に続き胎盤ポリープの疑いのある腫瘤と、ある意味厄年らしい(?)激動の日々でした。時間には余裕があるはずなのに、考え込んだり塞ぎ込んでることが多くて不妊治療と病気治療以外のことはほとんど何も出来なかったように思います。
2019年、平成最後となるこの年こそ何か素敵なことが起こってくれる気がします。このワクワクした気持ちを忘れず、日々の時間を大事にしながらいろんなことにチャレンジしたいな♪
☆なつつ☆
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