2024年12月7日(土)に開催された「第43回コーヒーインストラクター2級検定」の試験を受験しました。
結果は…無事、合格です。本当にがんばってよかった!!
今回は、コーヒーインストラクター2級を目指す方に向けて、わたしが実践した勉強法や試験で出題された問題例などについてお伝えします。これから受験する方の参考になれば幸いです。
試験の結果:無事合格しました!
まず最初にご報告です。
無事、コーヒーインストラクター2級に合格しました!
100点満点中94点という結果で、合格ラインは70点以上とのこと。目標としていた満点には届きませんでしたが、90点を超えることができたのは本当に嬉しいです。
コーヒーインストラクター2級の問題例
他の方の勉強方法や過去問のブログ、YOU TUBEなどを参考にさせていただき、とても助かりました。なので、わたしも記憶している範囲で第43回の試験問題の中で覚えている問題を残しておこうと思います。
※問題用紙は試験終了と同時に回収されてしまうため、記憶違いだったり、回答に間違いがある可能性もありますが、そのあたりはご了承ください。
問題数と配点について
配点は、実技10点(カッピング1問のみ、10点)、学科90点(1点、2点問題の計50問程度)でした。
勉強が必要となるのは主に学科ですが、マークシート方式で大問5つくらいに分類されていました。出題数は50問程度だったように思いますので、2点問題が多く、1点問題もある感じのようです。
また、マークシート方式ということで、正誤問題(正しければ「1」、間違っていれば「2」を選択する)と地図問題、二択〜四択程度の選択問題の構成だと思っていましたが、実際はマークシートはA〜N、数字の1〜20?(正確な数は忘れてしまいました)という、かなり多くの選択肢群の中から選ぶ問題もあります。具体例は、この後の問題をご覧ください。
地図問題(生産国の位置)と格付け問題が多め
地図問題(生産国の位置)が出題されることは良く言われていますが、第43回の試験問題では、大問1つ、まるまる地図問題でした。10問〜15問程度はあったように思います。しかも、単純に「イエメンの位置はどこか?」ではなく、「モカマタリの生産国を地図上から選べ」のような感じで出題されます。
地図問題の例:
問題:コーヒー豆の生産量が世界第1位の国を地図上から選べ
答え:ブラジル
問題:カネフォラ種の生産量が世界第1位の国を地図上から選べ
答え:ベトナム
問題:水洗式アラビカ種の生産量が世界第1位の国を地図上から選べ
答え:コロンビア
問題:特定銘柄「モカマタリ」の生産国を地図上から選べ
答え:イエメン
問題:特定銘柄「マンデリン」の生産国を地図上から選べ
答え:インドネシア
また、全問がマークシート方式(記述は無し)ですが、過去に受験された方の過去問の印象から、国の位置を選ぶ問題だけかと思っていましたが、以下のような問題も出題されました。
問題:地図の④の国の格付け方法と規格を以下の選択肢群から選べ
格付け方法
A:標高による B:スクリーンサイズによる C:欠点数による D:スクリーンと欠点数による
規格
E:HG(altura), PW(prima lavado) F:SHB, HB, EPW G:グレード1, 2 H:グレード1〜5 I:AA, AB J:タイプ2, タイプ4/5 K:SHG, HG L:SHB, HB M:ETL, TL, AL N:No.1〜3, セレクト
④はホンジュラスなので、「A(標高による)」「K(SHG, HG)」の2つをマークシートで塗りつぶす、という感じです。
実際に出題された問題例
具体的に出題された文言までは忘れてしまいましたが、記憶に残っている範囲で今回出題された問題をまとめてみました。
1.カッピング試験
試験が開始してまもなく、AとBの紙コップが配られます。
第43回は「アラビカ種とカネフォラ種のブラインドカッピング」でした。
講習会でカッピングする以下の4つのいずれかが実技試験として出題されるそうです。
・アラビカ種(コロンビア)とカネフォラ種(インドネシア)
・深煎りと中煎り(コロンビアUGQ)
・水洗式(コロンビア)と非水洗式(ブラジル)
・新鮮なコーヒーと焙煎後1年経ったコーヒー
アラビカ種とカネフォラ種の飲み比べが頻出ですね。対策としては、風邪をひかずに(味覚と嗅覚が正常な状態で)試験本番に臨むことでしょうか。
2.基本的なコーヒー知識
●世界で生産されるコーヒー豆の約[1: 40% 2: 60%]がアラビカ種である
答え:2(60%)
●コーヒーは赤道を南北約[1: 25度 2: 15度]のコーヒーベルトと呼ばれる地域で栽培されている
答え:1(25度)
●コーヒーは乾期の[1: 終わり 2: 始まり]の雨を合図に開花する
答え:1(終わり)
●コーヒー豆の構造は、果肉→ミューシレージ→パーチメント→豆の順である
答え:○
●同じ生豆を用いた場合、より酸味が強い焙煎度は[1: シナモンロースト 2: シティロースト]である
答え:1(シナモンロースト)
●焙煎による成分の変化について、以下の成分より正しいものを選べ
[成分:A: クロロゲン酸 B: カフェイン C: アミノ酸 D: 褐色色素]
焙煎によりほぼ消失する成分
答え:C(アミノ酸)
焙煎によってあまり変化しない成分
答え:B(カフェイン)
焙煎度に応じて減少する成分
答え:A(クロロゲン酸)
●食べ物が健康や病気に与える影響を過大に評価すること、あるいは信じこむことをフードファディズムという
答え:○
●炭焼きコーヒーは熱源に[1: 100% 2: 30%]炭を使用したものをいう
答え:1(100%)
●ブレンドコーヒーにおいて、特定産地を強調した商品名にする場合、生豆換算で30%以上配合しなくてはいけない
答え:○
●焙煎豆の状態でブレンドする方法を[1: プレミックス 2:アフターミックス]という
答え:2(アフターミックス)
2.難しいと感じた問題(5つ)
問題:焙煎したコーヒー豆を冷凍保存する時は、ガスバリア性の高い包装で保存する
考察:
具体的な文脈を忘れてしまいましたが、この問題は迷いました。
検定テキストによると、「ガスバリア性の高い包装は冷凍保存に有効だが、開封後は吸湿や庫内の異臭を吸着したりする危険性がある」と記載されています。おそらく、問題文には「開封前」「開封後」についても言及されていたと思いますが、それを記憶していない時点で間違ってしまったように思います。
また、「ガスバリア性の高い包装であれば、経時変化は比較的ゆるやかである」とテキストに記載があるので「保存した方がよい」だったか、「保存すると経時変化が防げる」か、によっても正解が変わるように思います。
このような文脈からポイントを把握すべき問題は、より正しい理解が求められているように感じました。
問題:サイフォンにおいて、味を変える要素は粉の挽き具合のみであり、安定した味わいで抽出できる
考察:
サイフォンはフラスコ内の気体の膨張(お湯の気化)を利用して抽出するため、湯の温度が限定されて味が安定しやすいのが特徴です。わたしはこの問題、○にしてしまいました。
講習会のメモを見直したら「サイフォンはお湯の温度は限定されるが、挽き具合だけでなく抽出時間も変えやすい(攪拌でも味の変化がつけられる)」と書いてあったので、勉強不足でした。
問題:焙煎直後にガスバリア性の高い包装をしてから冷凍保存したコーヒーと、常温保存したコーヒーを同じ条件ですぐに抽出すると香りや風味の強さは同じになる
考察:
この問題、何度も問題を読んで悩みました。たしか、「冷凍保存」「常温保存」以外は、全て同じ条件であることが問題文の中でも細かく明記されていて、でも「すぐに抽出」と書かれていたのが気になりました。
冷凍保存した場合、冷凍庫から取り出してすぐに抽出すると豆が冷たいため抽出温度が下がり、香りや風味に影響が出ます。そう考えると間違い?
でも、常温に戻して抽出するのは記載するまでもない前提条件とされているならば正しい?
いや、そうだとしても、常温保存の方が冷凍保存より少しだけ劣化が早いから、結局は間違いではないか?と、悩んだ挙句に×を選びました。
問題:非水洗式が主な精製方法の国と、水洗式が主な精製方法の国を選択肢の中から選べ
考察:
たしか「精製方法」の指定のみで、アラビカ種・カネフォラ種についての指定はありませんでした。選択肢に入っていた国名までは忘れてしまいましたが、ベトナムとインドネシアは特に迷い間違いました。
答えは以下になると思います。
非水洗式:
ブラジル(アラビカ種/カネフォラ種)、エチオピア(アラビカ種)、イエメン(アラビカ種)、インドネシア(カネフォラ種)、ベトナム(カネフォラ種)、ウガンダ(カネフォラ種)
水洗式:
メキシコ(アラビカ種)、グアテマラ(アラビカ種)、ブラジル(アラビカ種)、コロンビア(アラビカ種)、ジャマイカ(アラビカ種)、タンザニア(アラビカ種)、ケニア(アラビカ種)、エチオピア(アラビカ種)、インドネシア(アラビカ種/カネフォラ種)
なお、パプワニューギニアやハイチなど、講習会で名前が出ない国は選択肢にありませんでした。
問題:グアテマラ・アンティグア地区を地図上から選べ
考察:
確かにテキストに「主要生産国の生産エリア」の地図はありますが、まさか出題されるとは…!と衝撃を受けた問題です。グアテマラには8つの主要な生産地区があり、八択です。もちろん間違いました。
テキストには「ブラジル(6地区)」「コロンビア(10地区)」「グアテマラ(8地区)」「エチオピア(5地区)」「タンザニア(8地区)」の地図があります。100点を目指す方でなければ、諦めてもいい問題ではないでしょうか。もしくは、アンティグアやハラー、ブコバ地区など頻出地区のみ覚えておいてもいいかもしれません。
ただ、こういう頭を悩ます問題の方が少ないので安心してください。
全体として、コーヒーに興味のある方なら迷わず選べる問題が多い印象で、試験時間が足りなくなることもありませんでした。地図と格付けの暗記を怠ると微妙ですが、それさえ暗記できていれば合格点の70点は取れる問題構成になっていると思います。
勉強法の基本:講習会が重要
コーヒーインストラクター2級の試験は、協会主催の講習会を受講することが前提になっています。この講習会で説明される内容以外は出題されませんので、講習会の内容が頭に入れば確実に合格できます。
公式テキストの2級のテスト範囲は40ページほどなので、テキスト丸暗記でも合格できるとは思いますが、テキスト通りの文言がそのまま出題されるわけではありません。
例えば、ネルドリップについて以下のような問題が出題されました。
問題:ネルドリップの抽出速度は速めである
答え:○
テキストでは「注湯速度と、ろ過速度の関係」として以下のように説明されています。
「一方ろ過が早い場合、例えばネルドリップのように注いだ湯の量に応じてろ過が行われるような場合(〜中略〜)注ぎ方が風味に及ぼす影響は大きくなる。」
わたしのようにネルドリップを使ったことがない方は、テキストを読んでも理解しにくい問題だと思います。講習会では、ドリッパーの種類や器具の説明で、メリタの一つ穴→カリタ(三つ穴)→ハリオ(V60)→ネルドリップの順で抽出が早くなっていくと説明されていました(メモがとってありました)。
このように、講習会では、試験に必要な知識が非常に分かりやすく説明されます。講師の方が「ここは暗記して欲しい」「この数値までは暗記しなくて良い」と、要点を的確に押さえて解説してくれるので、試験に出やすいポイントを把握しやすくなり効率的に勉強できますよ。
具体的にやったこと
わたしは試験二週間前に勉強を開始し、一週間前から特に集中しました。
〜二週間前〜
1.公式テキスト2級のテスト範囲を読み返す(講習会のメモを読みながら)
2.過去問や受験記のブログ、YOU TUBEを検索して問題傾向を把握
3.YOU TUBEの過去問を聞き流しつつ実際に解く(2日に一回程度)
〜一週間前〜
4.過去問でいつも間違える問題を暗記アプリに登録
・地図と国名
・格付け
・特定銘柄
・各種数値 など
5.暗記アプリを隙間時間にひたすら解き続ける
6.YOU TUBEの過去問と暗記アプリを完璧にする
〜当日〜
7.受験1時間ほど前に最寄駅に到着し、近くのカフェで最終チェック
こちらのブログやYOU TUBEを参考にさせていただきました。
(どれもとても参考になりました。本当にありがとうございます!)
過去問のYOU TUBEの○×問題が解けるようになっていれば、それだけで合格ラインの70点以上は取れると感じましたので、時間のない方は、これだけを一週間で集中して覚えると合格率がアップすると思います。
なお、暗記アプリは、暗記メーカーを利用していました。
繰り返し回答することで「習熟度」が表示されるので、苦手な問題がわかりやすいのでおすすめです。
一般向けに公開されている2級対策問題集も存在していて、それが解けたことで自信にもつながりました。
受験当日の準備
試験当日は、遅刻をするとそれだけで失格になってしまいます。(交通機関の影響の場合などは、遅延証明書を提示することで認められることもあります)
持ち物を忘れずに持って、少し早めに最寄駅に到着しておくのがベターです。
試験当日の持ち物
講習会の時に用意した3cm×3cmのカラー写真を貼り付けた受験票と筆記用具はマストです。
また、当日はスマートフォン、スマートウォッチ、PC、タブレットなど電子機器の使用はすべてNGになります。
試験会場(アクセス)
コーヒーインストラクター検定2級検定は、東京・京阪神・中部・西日本(北海道・東北・北陸・中国は開催回によって選択可)で実施されますが、講習会の受講会場と同じ場所で試験も受験します。
試験会場:
AP市ヶ谷
東京都千代田区五番町1-10 市ヶ谷大郷ビル
アクセス:
JR線・東京メトロ有楽町線・都営地下鉄新宿線 「市ヶ谷駅」徒歩1分
JR出口を出て「市ヶ谷駅」の交差点で左右を見渡すと「ココカラファイン」がすぐに見つかります。講習会の会場は、そのココカラファインと同じビルで、しかも徒歩1分という駅から至近の場所なので迷うことはほとんど無さそうです。
遅刻は厳禁!
試験は9:45ちょうどから説明がスタートします(受付開始 9:20〜)。
早めに行く必要はありませんが、遅刻だけは絶対にしないよう注意しましょう。
わたしは、1時間ほど前には市ヶ谷駅に到着し、近くのスタバで覚えた内容の最終確認をしてから試験に臨みました。
最後に
コーヒーインストラクター2級の資格を取得できたことは、知識を深められただけではなく、自分に自信を持たせてくれたように思います。これから試験に挑戦される皆さんも、合格されるよう心からお祈りしています。
そして、インストラクター1級を目指す方は、これからも一緒にがんばりましょう
Japan Coffee Qualification Authority 全日本コーヒー商工組合連合会 認定 コーヒーインストラクター検定